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幸次郎三回生

選挙戦

「ヨシオカッ!なんでこの国の若者は選挙に興味を持てないんだ。」
幸次郎は政策秘書の吉岡に熱く語りかける。

 

「儲かりそうにないからじゃないですか?そんな事より知事選のサポート戦略書けましたか?」
吉岡はエクセル表に入力しながら冷たく答えた。

 

「急がすなよぉー、その事で悩んでいる所なんだし・・マジメだなぁ。
だいたい同じ党員だからって、族議員の応援しなきゃいけないんだぞ。」
幸次郎は親の地盤、看板、鞄を引き継ぎ国会議員になった当選3回の2世議員で、やせ型高身長のイケメン、女性に人気があり、特におば様には非公式ファンクラブができるほどの人気だった。
また、コネと容姿だけでは無く、父親譲りのスピーチ能力と行動力で将来の総理候補としても期待されている。

 

髪の毛を掻きむしりながら
「ハーーこの山中さん、建設系の票は大丈夫なんだけど他が全くだね、とにかく若者に人気が無い、なんでだよ、ハゲてるからか?・・・
今のオフレコ、ハハハ」
ため息を付き、ちょっと失言した自分が可笑しくなり、気持ち悪い笑顔をした。

幸次郎は日ごろから個人的な容姿を貶す言葉は使わない、失言で政治生命を危険に晒すのは愚かだと思っているからだ。
子供の頃遊んでもらったおじさんが、失言で役職を失う姿を近くで見ていて、恐ろしさを理解しているのであった。

 

しかしこの日はイライラしていてつい言葉に出てしまう。
党の青年部長と選挙対策本部の選挙対策福委員を兼務していて忙しく、地元有力者との調整が進まず、正直うんざりしていたからだ。
いつもなら心の中で「下積み下積み」と納得させるのだが、幸次郎はこの手の族議員が嫌いだ。
何故ならあまりにも露骨に自分の利益団体を優先し、国益を考えているのか疑問に思うからで、最近の議員はリモコンのロボットと話している感じになるのである。


ちなみに幸次郎もIT系団体の族議員、しかし政治献金も少なくIT関係者の組織票は無いに等しかった。
裕福な族議員への嫉妬なのかもしれない。

 

「ヨシオカ、浮動票を取れなければ当選できないよなぁ、若者の喜びそうな政策で応援演説するか、何が受けると思う?」

暫く間を置いて鼻を触りながら吉岡は話し始めた。
「そうですね、待機児童解消、派遣の正社員採用促進、ブラック企業問題、最低賃金なんか如何ですか」

 

幸次郎は、こいつ差しさわりの無い意見言いやがったなと思いながら即答する。
「ちゃんと考えてよ~、待機児童は市の管轄だからね、まあ違うアプローチもあるけど。
派遣の正社員化は派遣法変えたから様子見、ブラック企業も働き方改革が始まったからインパクト無いなぁ。
最低賃金の話はイイね、でも経済連合から圧力あるから上手く話さないと・・・
う~ん、だいたい赤赤党が公約にしてるから2番煎じでパクった感はどうかね」
険しい顔をしながら黙ってしまう幸次郎であった。

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集客

メガマックスターイム!」
幸次郎は叫んだ。

「先輩、何に思いついたんですか?今忙しいですけどね」


「そう言わず付き合えよ」
吉岡とは大学の政治サークルからの付き合いだ、出会った頃から幸次郎が思いついた事を仮説立てて検証している。
最初は単なる暇つぶしの言葉遊びだったが、選挙シミュレーションに大いに役立ち、二人の間では必要な時間となっている。
尚、名前の由来はTVの科学番組から拝借。

 

「メガお題は山中さんを知事選で勝たせる事。
山中さんは国交省OBで、ある程度の票は見込める、しかし我が党の固定票と連立光光党だけでは当選ラインに届かない。山中さんは知名度低すぎるよね。


そこで浮動票集めだ、いつもなら民民党をターゲットに政策を考えれば、ある程度予想通り進む。
ところだがだ、対立する小川さんは無所属で出馬するって話じゃないか、
元アナウンサーの知名度で浮動票が流れるのと、民民の組織票と合わせると山中さんに勝ち目はない。


不味いよね、そこで投票先が決まっている有権者は無視して、新規票を掘り出す事にしよう。
まとめると、「投票率を上げて新しい票を獲得」ってのが、マックス議題だ。」

 

「先輩、新しい票って無茶言ってません?」
吉岡は文句を言いつつも、幸次郎の奇想天外な発想に期待していた。

 

「そうだ、選挙に行かない人たちに投票させる。
中高年層は無視していい、何故なら黙ってても60%以上は投票しているから、若者が対象。
ちなみに若者が選挙に行かない理由は何だろね、列挙してみようか」

 

「そうですね~、

1:投票会場に行くのが面倒、

2:投票しても何も変わらないと思ってる、

3:選挙をやってるの知らない
大きくはこんな感じじゃないですか?」

 

「いくらなんでも3は無いんじゃないの?かなりの時間使ってTVで告知してるよ。」
幸次郎はそんな日本人見た事ない、真面目に考えろと考えていた。
現に青年部で定期的に開催している若者交流会で出会ったことは無い。

 

「いえいえ、私たち選挙に近い人種には考えられませんが、甥っ子の話聞くと多いらしいですよ。
まず生でTVを見るのはサッカーぐらい、後はネットでいい所取りの視聴、ニュースもスマホの見出し配信で済ますって事みたいで、こうなるとCMは見ないですね。」

 

「おいおい投票用紙郵送されるでしょう」

 

「そこも気になって聞いたんですが、2週間前に配送されても無くすとか、プライベートのスケジュールを優先させたって話でした。」


幸次郎は驚きと納得した顔をした後、眉間にしわを寄せながら
「よし!先ずは告知媒体をネットに変えよう、TVCMの予算をネットにシフトしちゃえ」

 

「先輩、できます?大御所たちは頭硬いですよ、TV止めると高年層の告白大丈夫ですか?・・・そもそも選挙管理委員会の仕事ですよ。」

「それは大丈夫、そこは与党の強み、根回し上手のコウチャンさ。
しかもね、我が党の有権者はNHK大好きだからCM代不要だからね、民放は中年層向け、この層は選挙の重要性を理解してるから最小のCMで問題なし」

 

「先輩、SNSの活用もありですね、フォロワー数の多い人に相談してみましょう、いや、業者を探ってみますね」

 

「いいね~、よし、次は1の投票会場に行くのが面倒の件、ネット投票の整備はもうちょっと先だから、当面は投票所に行くしかない。
行って損しない何かがあればいいって訳だが・・・例えば小遣い貰えるとか。」

 

「また、金のばら撒きですか、500円?いや1000円ぐらい貰えないと行かないかな。
今回の選挙だと200万人×1000円で20億ですよ、棄権があるからもうちょっと安いけど厳しいですよ。」

 

「じゃ罰金、徴収は県税からする」

 

「それ、結構面倒ですよ、投票情報と県民税のデーター連携無いですし、新しくシステム作るなら期間的に今回は無理ですよ。」

 

「え~ヨシオカちゃん厳しいよ~、タダで人を集めるの。

じゃじゃ芸能人手配するか、一日選挙所長って肩書で各投票所に配置する。
アイドル、歌手、俳優、集客能力あるなら誰でもOK。」

 

「投票所、山ほどありますよ、予算は」

 

「そこはパブリックビューイングさ、モニターぐらい用意できるだろ。予算は選挙後にDVDや放映料で賄う。」

 

「放送見たくて投票しても帰らない人邪魔じゃないですか?、投票しない人も集まりますよね。」

 

「あっ邪魔だ、サッサと帰れ・・・
行くのが面倒はちょっと保留、2の投票しても何も変わらないと思ってるを解決してみよう。
そもそも民主主義は劇的には変化しないから投票結果の変化に気が付かないだけで、変わってるんだけどね。
マスコミって良いことは褒めてくれないからなぁ・・。
ヨシオカ、何か案無い?」

 

 

通知表


「最近国会議員の通知表や投票結果をネットで確認できますよね、民間でまとめてる書籍は判り易い、でも一般の人は読まない。
投票所に置きたいぐらいですが選挙違反になりそうだし、新人には関係ない・・・
何かこの情報を選挙に興味がない人でも活用できる仕組み出来ませんかね。」

 

「ほぉ、それだヨシオカ!」
小鼓を叩く仕草で手を叩く幸次郎、ポンと軽い音がした。


「先輩思いつきました?」

 

「こんなのどうだ?
立候補者で通知表カードを作るって案、カードは子供の間で流行ってるカードゲームにする」


「えっ?言ってる意味が解りませんが、ポケモンカードみたいな感じですか?」


「そうそれ、今までの政治履歴をポイント化したカードを作る。」


「新人は?」


「そこは仕事内容とか学歴とかポイントにする」


「仕事の種類でポイントの優劣はできないですよ」


「確かに差別になるな、じゃあ攻撃ポイントは納税年数、若者には不利か・・・
う~社会貢献度を数値化する、履歴書の単語をポイント化する秘密のアルゴリズムを作ればいい、例えばボランティアの単語で1ポイントとかね、計算ルールを表示しなければ突っ込まれないよね」


「それでカードの勝敗はどうやって決めますか?」


「問題はそれだ、まず選挙会場に若者を呼ぶのが目的だから、会場に来て投票した人だけにカードを渡す。
投票会場と投票者の年齢を攻撃された時のダメージ数にして、投票率の少ないエリアと若者は有利にする。
選挙が終わったら選挙結果ページで遊び方を提示するってのはどうだろう。
得票数をヒット体力ポイントにして当選者カードを強くすれば楽しくならないか?
細かいルールはカードゲームに詳しい人と相談してくれよ」


「え~また丸投げですか・・・」


政策秘書の仕事だろお」


「カードゲーム・・・」吉岡は渋い顔をした。
「で、カードの名前は何にします?」


「おっそれか、今回は知事選だけど国政でも使いたいから、永田町モンスターカードにしたいね」


「な・・ナガモン!、そのままんまですね。」
大御所の議員をモンスターだと感じている吉岡は、妙に納得するのであった。

 

「いけねぇ、もうこんな時間だ、青年部の役員会に遅れる。後頼んだぞ」
幸次郎は急いでパソコンを終了させ部屋を出て行った。

 

 

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つづく・・・かな?